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児童虐待。なぜ増え続けているのか。

こんにちは!にこまるです。
家にいると子供にちょっとイライラしたりしたことありませんか?
虐待と子育てって紙一重だと思うんです。
今まで他人事みたいに思ってましたが親になって子供が虐待被害に遭うニュース、本当につらいです。
今回は虐待について取り上げていきたいと思います。



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目次

心愛さん虐待の様子、動画で撮影されていた

どうしてあんな可愛い子供にそれほど残酷なことができるのか理解に苦しむ一方で、他人事ではないと感じる私がいます。虐待の中には、「そんな状況なら私だって同じことしたかも」という事例が含まれることが少なくありません。子育てしたことがある人なら想像できるのではないでしょうか。
虐待について、私たちは知っているようで知らないことがたくさんあります。

虐待事例件数

厚生労働省のデータによると、虐待による死亡事例は年間50人にのぼります。およそ1週間に1人の子供が虐待で亡くなっています。報告されているだけでこの人数ですから、実際にはもっと多いと思います。
特に多いのが0歳児。手がかかるため養育者の疲労度も高く、かつまだ身体的にひ弱なので虐待に対して死に至るエースが多いからだと考えられます。3歳までの比率が高いことを考えると、保育園の拡充は母親の就労促進だけでなくて虐待防止にも役立つことが分かりますね。
事故として処理されたりするケースがあることを考えると、こんなもんじゃ済まない可能性もありますよね。

いちばん多い虐待の種類は「心理的虐待」

2000年の「児童虐待の防止等に関する法律」の制定により、子供への虐待は、身体的虐待、性的虐待、ネグレクト、心理的虐待の4つに分類されるようになりました。
虐待と言えば殴る蹴るなどの身体的虐待を想像しますが、相談件数が最も多いのは「心理的虐待」です。体罰育児放棄(ネグレクト)に比べて軽いようにとらえられがちですが、心理的虐待はとんでもなく残酷な行為です。
具体的には、大声で怒鳴りつける、無視や否定的な態度をとる、きょうだいで露骨に差別をする、人格や能力を否定するような言葉を繰り返し使う、子供の前で配偶者の暴力をふるう(面前DV)行為が該当します。

「男性パートナーが連れ子を虐待」は珍しいケース

虐待って、母親の新しい彼氏や結婚相手が連れ子にするってイメージありませんか?現実にニュースで流れてくるのはそういうケースが多いですよね。
「実の子供に虐待なんかするわけがない」という思い込みがあるからかも知れませんが、実際には虐待の加害者は9割近くが実親です。最も多いのが実の母親、次いで実父または両方、どこの統計かによって割合は微妙に違いますが、主たる加害者は血のつながった親であることはまずはおさえておきましょう。
実父以外の父親の割合は虐待全体の5%ほどです。ないわけではありませんが、実親に比べたらはるかに少ない数字です。もしかしたら発生リスクは連れ子の方が高いのかもしれませんが、実際に起こっている件数では圧倒的に実親からが多いのですから、やはり対策すべきはこちらの方ではないかと思います。

加害者に母親が多いのは、単純に接する機会が多いからと考えて良いでしょう。それにしては父親の割合がやけに大きい気もしますが。では、そういった親は一体どのような理由があって我が子を虐待するまでに至ってしまうのでしょうか?

母親が子を虐待するのは「大変だから」

まず母親のケースから。
母親は、子育てに必要なリソース(資源)が足りないときに虐待に走ります。リソースとは、「お金」「時間」「健康」「人脈」です。シングルマザーの人はまずお金と時間がありません。子供の教育においてこれは大きなハンデです。
子供に何らかの障害がある場合や低出生体重児の場合、または母親自身に健康的不安がある場合も、大変さから育児放棄に陥るケースが多くなっています。それでも、頼れるパートナーや親族がいたり、社会的支援にアクセスできる力があれば乗り切ることができますが、誰もがそのような人脈や行動力を持ち合わせているわけではありません。
リソース不足は補えば解決するはずですが、それを阻むのが日本に根強く残る「母性神話」です。女は子供を産めば魔法が使えると信じられているのが母性神話で、「魔法が使えるのに支援は必要ない、魔法が使えないのは愛情不足」と断じられてきたために社会的な保育支援体制が遅れてきた歴史があります。
しかし、ご存じのように私たちは出産したその日から魔法を使えるわけではありません。知識と経験と努力と根性がと母性の正体です。余裕がなくなりキャパがオーバーしたら母性もへったくれもありません。そしてキャパには個人差があります。もちろん大変だからって虐待してOKなわけではありませんが、口で言うだけなら簡単ですよね。

あのね、あたしたちは自分の体からもう一つの命を生み出すという奇跡を起こしているんだから、それ以上のミラクルは期待しないでほしい!

そのうち母性があるなら空も飛べるはずって言いだしそうだよね。

父親が子を虐待するのは「自信がないから」

一方で、実の父親からの虐待被害が増えてきていることが気になります。父親の育児参加が増えているのも要因でしょうが、まだまだ育児の主体が女性であることを考えると割合が少し高すぎる気がします。
父親が虐待的子育てをしてしまう要因を調べた調査があるのですが、それによると父親は育児ストレスを強く感じると「感情的な言葉」を子供に使い「行き過ぎた体罰」をおこなう傾向があることが分かっています。
ではどのようなときに育児ストレスを感じるかというと、「親としての役割的充足感」が乏しく「経済的不安」があるときです。子供の人数が多い場合や無職である場合には虐待の確率が大きく上がります。つまり、親としての自信が持てないとき、父親は暴力や暴言に走りがちなのです。

あくまでも傾向であって、全部がそうじゃないよ。自分に自信がなくても一生懸命子育てしているお父さんもいるし、社会的地位が高いのに虐待に走る人もいる。

虐待のリスク要因

厚生労働省のまとめによると、虐待に至るおそれのある要因はある程度分析が進んでいます。それによると、リスク要因は保護者側・子供側・環境において存在し、数が多くて深刻であるほど虐待リスクが高まります。だいたいは1つの要因ではなくて複合的です。

保護者側のリスク要因

望まない妊娠

若年の妊娠

マタニティブルーや産後うつなどの精神的不安

育児に対する不安、知識不足

性格が攻撃的・衝動的あるいはパーソナリティ障害

精神障害・知的障害、アルコール・薬物依存

体罰容認など暴力への親和性

特異な育児観、過度な要求など

子供側のリスク要因

乳児期

未熟児

障害児

多胎児

その他何らかの育てにくさを持つ子供

養育環境のリスク要因

経済的に不安定

親族や地域社会からの孤立

未婚を含むひとり親家庭

内縁者や同居人がいる家族

子連れの再婚家庭

転居を繰り返す家庭

保護者の不安定な就労や転職の繰り返し

夫婦間不和、配偶者からの暴力(DV)がある家庭

そのほかリスクが高いことを示す要因

妊娠の届け出が遅い、母子手帳未交付

妊婦検診・乳幼児健診未受診

飛び込み出産、医師や助産師の立会いのない自宅出産

きょうだいへの虐待歴

関係機関からの支援拒否


これらのリスク要因が多ければ必ず虐待するというわけではありません。リスクに立ち向かうだけの強みがあれば、虐待には至らないのです。たとえば、実家が太いは最強!これだけで経済面・時間面・社会面の不足を一気にカバーすることができます。
自身が健康で優秀であることも大きな強みです。

最後にもうひとつ怖い数字

政府は度重なる虐待事件を受けて、2月1~14日間に学校を長期欠席している子の安否確認を緊急に行いました。それによると、今現在虐待の恐れがあると判断された子供が2,656人存在するとのことです。

一度も登校していない子の人数:18万7,462人

教職員が面会できた人数:16万7,156人

面会できなかった人数:2万306人

面会できない合理的な理由がない人数:9,889人

過去に一時保護があるなど虐待の恐れがある人数:2,656人



学校に行ってなくて、不登校や就職活動・海外にいるなどの理由もないのに先生が合わせてもらえなくて、虐待の可能性が否定できない人数が9,889人!面会はできたけど様子がおかしいとか過去に保護されたことがあるとかの理由で児相や警察に情報共有された人数が2,656人です。多くないですか。

虐待のおそれがあると判断された子供が1万2千人くらいいるってことだよね!?
この子達本当に無事なの!?
これって緊急事態だよね…どんな予防策よりも優先ですよね。

まとめ

虐待について参考になりましたでしょうか。
今この瞬間も虐待を受けている子供がいると思うと心が痛いです。
皆さんは虐待に関するデータを見て、どのようにお感じになったでしょうか?
少しでも虐待のない世界になりますように。