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無痛分娩とは?リスクはあるの?

こんにちは!にこまるです。
最近は「痛みがなければ母親になれないなんておかしい」という考えが浸透し、硬膜外麻酔による無痛分娩の希望者が増えている。
私もその一人で無痛分娩を希望していました。(実際にはできなかったのですが)
痛くないって素敵って思う一方、2016年には日本産婦人科医会の妊産婦死亡症例検討評価委員会(厚生労働科学研究費補助金)が、麻酔が直接的な死因となった事例があったことを報告。2017年は無痛分娩をした女性が死亡したり重い障害を負ったりしたケースもあり怖いですよね。
今回は無痛分娩とは、リスクはあるのか解説させて頂きます。

目次

「無痛分娩」とはどんな出産方法?

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無痛分娩とは、麻酔を使用して出産のときの痛みを和らげながら出産する方法のことです。出産の痛みは、子宮の収縮による陣痛と、赤ちゃんの頭によって、膣や外陰部などが押し広げられるときの痛みがあり、これら痛みを麻酔によって和らげます。
無痛分娩で用いられる鎮痛法には2種類あります。

鎮痛法①硬膜外鎮痛

1つ目は、硬膜外鎮痛と呼ばれる方法です。硬膜外腔と呼ばれる背骨にある脊髄に近い部分にチューブを入れて麻酔薬を投与する方法で、無痛分娩のときだけではなく、一般的な手術や、術後の鎮痛目的で日常的に使われている方法です。
鎮痛効果が強く、赤ちゃんへの影響もほとんどないものの、やや難しい処置といわれています。現在、多くの国でこの方法が無痛分娩の第一選択となっています。

鎮痛法②点滴による鎮痛

2つ目は、点滴による鎮痛で、点滴により静脈から麻酔薬を投与する方法です。鎮痛効果は硬膜外鎮痛と比較して弱いですが、事前の処置はとても簡単な方法です。
麻酔薬は、静脈からママの脳へ届くのはもちろん、微量ながらも胎盤を通して赤ちゃんの脳へも届きます。そのため、この方法の場合、ママも赤ちゃんも眠くなったり、呼吸が弱くなったりすることがあります。

無痛分娩の費用、いくらかかる?

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無痛分娩の費用は、健康保険を利用することができないため、基本的に自己負担となります。
少し前のデータですが、平成16年に日本産科麻酔学会は会員が所属している分娩し施設を対象に無痛分娩についての調査を行いました。「硬膜外無痛分娩」を行っている46施設からの回答によれば、費用は自然分娩の費用に無痛分娩の管理料や麻酔代などが上乗せされます。プラスでかかる費用は施設や病院などで異なりますが、個人施設で0~5万円、一般総合病院で3~10万円、大学病院では1~16万円という報告があります。費用は医療機関によって大きく異なるので、あらかじめ事前にきちんと調べておく必要があるでしょう。

日本ではまだまだ普及していない無痛分娩の現状

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無痛分娩は歴史が古く、ビクトリア女王歌人として有名な与謝野晶子はこの方法で出産していると言われています。しかし、冒頭でお伝えした通り日本ではまだ1割未満と、なかなか普及していないのが現状です。
日本産婦人科医会の2017年に実施したアンケートによると、全分娩中、無痛分娩は6%という報告があります。実は、無痛分娩は海外では盛んに行われており、アメリカでは2008年のデータで約60%、フランスでは2010年のデータで約80%の女性が無痛分娩を選択したという報告がされています。
2018年2月には、厚生労働省が専門研究班を立ち上げ、無痛分娩を安全に行うために望ましい体制を求めた提言書を発表しました。今後、日本で無痛分娩が普及していくには、安心して受け入れる体制を整えられるかどうかが非常に重要でしょう。

無痛分娩のメリット・デメリットを理解しよう!

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それでは、無痛分娩のメリットとデメリットについてお話しましょう。

無痛分娩のメリットとは?

まずはメリットです。第一に、出産の痛みが和らぐことです。無痛分娩は、完全に痛みがなくなるわけではありませんが、痛みが和らぐことで、スムーズにお産がすすみ、体力の消耗が少なくて済みます。産後の回復が早かったという感想を挙げるママもいらっしゃいます。
お産の痛みに耐えている時、赤ちゃんに届く酸素が少なくなるという報告があります。これは、強い痛みがあると、ママの体の中で血管を細くする物質が分泌されていることが原因だと言われています。また、陣痛のときに呼吸を忘れてしまうことも影響していると考えられます。少し減る分には問題ありませんが、妊娠高血圧症候群で赤ちゃんへの血流が減少している場合は、酸素量が減少してしまう可能性があります。無痛分娩を受けたママは、陣痛中の酸素消費量が少なく済むという報告があるため、心臓や肺が悪いママには、無痛分娩を勧めるケースもあるようです。

無痛分娩のデメリットとは?

では次に、デメリットについても知っておきましょう。
無痛分娩は、先述のとおり麻酔を使用して行います。そのため、麻酔による合併症のリスクを伴います。よく起こる症状としては、
①足の感覚が鈍くなり、力が入りにくくなる
②低血圧により、気分が悪くなり、赤ちゃんも少し苦しくなることがある
③尿意を感じにくくなる、尿が出しづらくなる
④かゆみ、体温上昇など 
上記が挙げられます。
その他、頻度としては稀ではありますが、針を刺したりチューブを入れることにより、頭痛が起こることがあります。また、麻酔薬が誤って血液中に入ってしまったり、脊髄くも膜下腔に入ってしまうこともあります。非常に稀ではありますが、投与されるべき場所などに血のかたまりや膿ができてしまうことで神経を圧迫することもあるため、血液がかたまりにくい体質の方や、注射する部位、全身にばい菌がある場合は、無痛分娩ができないケースがあります。麻酔の効果によっては、陣痛が弱くなるケースもあり、そのためにお産がスムーズに進まず、吸引や鉗子を用いた器械分娩になることが多くなるとも言われています。
また、先述した通り、無痛分娩は保険が適用されないため、自然分娩よりも費用が高くなります。通常の出産費用にプラスして費用がかさむことを覚えておきましょう。無痛分娩により、無事に出産したママがほとんどではありますが、中には命の危険が伴ったり、後遺症が残るケースも報告されています。メリットとデメリットをしっかりと理解した上で、出産方法を決める際には医師や家族と十分に話し合いをしておくことが大切でしょう。

産院を選ぶ時に確認したいポイント


ここまで読んだ方で、無痛分娩を希望したい、と思った方もいるのではないでしょうか。そんなとき、安全な無痛分娩をするには、どのように産院を選べばいいのでしょうか?
そんなに早く?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、無痛分娩を検討している場合は、初期の妊娠検査時に、無痛分娩を検討していることを担当医、もしくは看護師、助産師に話しましょう。無痛分娩を行っていない施設の場合は、行っている施設を紹介してくれることもあります。
無痛分娩に対応している施設自体がそれ程多くない上、受け入れ可能な人数があらかじめ決まっている場合も多く、人気の病院では先着申し込み順を採用している場合もあります。

無痛分娩の方法を確認する

施設によって無痛分娩の方法には違いがあります。そのため、なるべく早いうちに無痛分娩の希望を伝え、対応している無痛分娩の内容の説明をしっかりと聞いておくことが重要です。
妊婦と医師の距離が近い診療所は、外来の待ち時間も病院と比べて短いため、忙しい妊婦さんにとっては便利でしょう。しかし、総合病院と比較して施設、人材など環境整備の面で同じとならないこともあるでしょう。無痛分娩に特化した診療所では、日頃から総合病院と連携しているところもあり、万が一の事態に対応できるようになっている産院もあるのでチェックしておきましょう。

麻酔科医師が麻酔を行うかどうか

また、無痛分娩の経験を積んだスタッフが充実しているかどうかも非常に重要です。無痛分娩は特殊な医療行為であるため、専門である産科麻酔科医が行うのが望ましいとされています。しかし、産科麻酔科医が少ないため、産科医が行う場合もあるようです。
現在、「麻酔科標榜医」という厚生労働省が定めた資格があり、麻酔科医だけではなく、外科や整形外科、産婦人科などの医師がある一定の経験を積むことによって与えられます。無痛分娩の実績や麻酔科医師の体制を確認することも重要です。

対応日時について、24時間体制か否か

産院によっては、対応してくれる時間が異なる場合もあります。大きく分けて、24時間対応している産院と、麻酔科医が勤務している日中の時間帯のみ、の2パターンです。24時間対応している場合は、陣痛がきたタイミングで無痛分娩の処置にうつることができるので、より自然に近い状態でお産に望むことがきます。
一方、時間帯が決まっている場合は、出産予定日の1~2週間前から入院し、陣痛促進剤を使用して計画分娩を行います。陣痛促進剤を極力使用したくない場合は、24時間対応している産院を選ぶのがよいですね。

まとめ

痛みが緩和できて出産できるのは嬉しいことですよね。
産後にパワーを温存して出産後、赤ちゃんにパワーを注いでみてはいかがでしょうか?
私も次回は無痛分娩にしたいと思います!